洋之介メモリアルカップ葉山2023

2014年10月14日

_MG_5651予定した洋之介メモリアルカップ大会開催予定日12日時点、台風19号は奄美付近を北上。強い勢力は維持したままだったが、ウネリは台風東側に張り出す前線にもブロックされ大会に相応しいコンデションには至らず、12日当日はプラクティカルセッションという形での開催となった。その後、19号は向きを東よりに変え速度を早め、本州に接近すると13日から14日かけ一気に列島を駆け抜ける。この時期の台風に多いパターンの動きだった。

10月14日、朝から最高の晴天。
台風は既に三陸沖に抜けて強い勢力のまま温帯低気圧に変わった。
波はオフショアに押さえつけられる事無く、
6~8フィート、たまに10フィート近いサイズで割れていた。
小磯的にはファンなコンディションだ。
前日の大会のための招集に応えてくれた選手の一人である田中宗豊さんと弟子のケンちゃんが、
滞在を延ばし「チャンスがあれば小磯をじっくり味わいたい。」と話してくれたので
声をかけて長者の駐車場で待ち合わせた。
駐車場にはもうすでにフォトグラファーの木本直哉さん、YOGEくん、田中としさんが
かけつけてくれていた。
早く海に入りたくて僕は一番乗りでパドルアウトした。
洋之介が生前使用していた「J.Kashiwai」の7.2を抱えて。

正直、大会を立ち上げようと呼びかけをしてから様々な重圧があった。
コンディション不足の為、大会をプラクティカルトレーニングに変更しての開催した12日。
それでも本番を想定した形がとれたプラクティカルトレーニングを、
選手の皆さんも関係者の方達も、理解し評価してくれた。
僕は解放された気持ちを波にぶつけるように何本も何本もチャージした。
宗豊さん、ケンちゃん、竜君。
佐藤和也、関本カイト、大橋海人、湯川マサト。
ビッグウェイバー、プロとが続々とピークに集まってきた。
彼らもまた、小磯の波のとりこになっていた。
その日はみんなが笑顔で波に乗っていた。
「これがサーフィンだよな」
僕は心の中でつぶやいた。

海からあがると「良い写真」撮れたよ、とYOGEくんが写真を見せてくれた。
「小磯でこんな写真を撮るのが夢だったんだよね」と。
そこには見事な富士と、真下に波と僕がその波にチャージしている瞬間があった。
その絵を見て、大会までのいろんな悩みやモヤモヤしたことは吹き飛んだ。
そして、この場所の神聖なエネルギーを改めて感じ、全てに心から感謝の念があふれた。

写真:YOGE  記事:佐久間泰介 

2014年台風19号(名称:ヴォンフォン)10月14日9時の状況

三陸沖で温帯低気圧に変わる

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天気図提供:気象庁